今回は日本とカレーの関係についてお話しようと思います。 カレーが初めて日本に入ってきたのは、明治維新からそれほど時間が経っていない、明治初期の頃と言われています。
カレーについての資料で、日本で最古の文献としては『西洋料理指南』(明治5年刊)があります。これには当時のレシピが掲載されておりまして、 それによると、
「葱一茎、生姜半個、にんにく少々を細末にし、牛酪(バター)大さじ1を加え煎り、水一合と鶏、海老、鯛、蠣(カキ)、赤蛙等のものを入れてよく煮後にカレーの粉小さじ1を入煮る1時間後に熟したる時、塩に加え小麦粉大さじ2を水に解きて入るべし」(「」内筆者要約)
とあります。
ここで注目すべきは、具がカキや赤蛙といった現在ではまず使われることがない物が入っていて、現在のようなじゃがいも、にんじん、たまねぎのカレーの具御三家が入っていません。
なぜなら、じゃがいもと玉ねぎは外来野菜で、この同じ時期に日本に食用として入ってきたものだからです。(じゃがいもはそれ以前から観賞用植物として日本に入ってきていましたが・・・)
さらに、カレー粉が使われている、という事実です。
実は、この頃のインドにはカレー粉というものはありませんでした。(現在ではインドでもカレー粉が売っていて、これを使ってカレーを作る中流階級の家庭もあるそうです)しかしなぜ、ここにカレー粉が登場するかのか? それは、日本のカレーは、「インドからイギリスを経由して日本に輸入された」からなのです。
カレー粉とは、イギリス人が煩雑なスパイスの調合の手間を省いて簡単にカレーが作れるように発明したもので、18世紀ごろにイギリスのC&B社が初めて商品化したと言われています。
今でこそエスニック料理のレストランが街に並び、カレー=エスニック料理という構図が一般的になりましたが、少し前まではカレー=西洋料理というイメージが強かったのも、イギリスから輸入された、という歴史がそうさせたのかもしれませんね。
その後、大正時代に入り、カレーは軍隊食として採用され、現在我々がイメージする、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、肉が入ったカレーへと姿を変えました。
ここで軍隊食として採用されたことで、爆発的に一般家庭にもカレーが浸透し、現在の日本におけるカレーの地位を確立したといえます。
余談ですが、世界中どこを探してもこんなに世の中にカレー商品が氾濫している国はありません。インドの人の中には、わざわざ日本のルーを買ってきてカレーを作る人もいるそうです。
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